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健康福祉政策情報No.91
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トピックス
水俣の健康づくりの未来と公衆衛生看護活動
山口 忍(茨城県立医療大学保健医療学部)
水俣学との出会い
筆者は,2009年から研究活動のために年に数回(今は一回程度)熊本県水俣市を訪れています.今までの研究成果は,公衆衛生学会での報告や,『水俣からのレイトレッスン:昭和四十年代の水俣における堀田静穂氏と「水俣に移動診療所を!」の活動』1)で述べています.そこでは,水俣病発生時の公衆衛生看護活動は,明確に示される事項はなく,堀田静穂氏の活動や原田正純先生らの活動により公衆衛生活動に近い活動が行われていたことが推測されました.また,1970年代に行われていた「水俣に移動診療所を!」の活動からは,水俣での健康づくりは,専門職と当事者が対等な関係性の中で進められていたことがわかります.もちろん,これは故・原田正純先生の水俣学としての考えです.水俣学では,「弱者の立場に立つ」「専門家と素人の壁を取り払う」「現場を大事にする」を主要な考えとしています.原田先生は「差別があるところに公害が生まれる」と講演会で,対等な関係性の重要性を説いておられました.
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