2024年度事業計画

定員40人,入居者は38人で平均年齢は55.5歳となっている.
グループホームの集いを定期的に開催し,防災についての学習や情報共有を行う.今年度は,①生活習慣の見直しや食生活の改善について,健康増進プロジェクトとの共催で学習会や健康相談会を行い,健康づくりの取り組みを進めること,②さまざまな経験をもつ仲間の話を聴く機会をつくり,仲間同士の交流を深めること,を重点課題として取り組む.
また,地域に点在するホームの特徴を活かし,ホームごとの集まりや避難訓練,地域行事への参加も積極的に行う.
ピアサポーターとのチームづくりにも力を入れ,多職種チームでの関わりができるようにしていく.また,ピアサポーターの専門性を活かして,特に余暇の過ごし方の充実をはかっていく.

2023年度事業報告

定員を40人に変更し,1人1人のニーズに合わせて,グループホームでの暮らしを継続できるよう支援を進めてきた.新規利用者は3人,退去者は4人,入居に向けた体験利用者は1人であった.退去者の内,2人は入院,1人は介護保険施設,1人は他法人のグループホームに移った.

1)入居者の日常生活支援

平均年齢は55.8歳.65歳以上は7人で,内4人が介護保険サービスの申請をし,デイサービス等を利用している.入居者の多くは,地域活動支援センターや自立(生活)訓練事業所,生活介護事業所,就労継続A型・B型事業所へ通所する人が多い.併用して精神科デイケアや病院OTを利用している人たちがいる.
「通所先での人間関係が不安」「生活費のやりくりがうまくいかない」「妄想や幻聴などの症状が出て辛いけど,1人で対処できない」「生活リズムを崩さないようにしたい」「部屋の片付けが苦手」「食事の準備が大変」「健康管理が難しい」など,利用者の生活ニーズは多様である.
1人1人のニーズを確認しながら個別支援計画を見直し,訪問や電話連絡,関係機関との連絡調整,同行等の支援を行った.入居者が安定して生活を送ることができるよう,健康観察や生活状況を職員とピアサポーターの間で共有し,1人1人の状態に合わせて支援を組み立て対応した.

2)関係機関との連携による支援

体調に波があり,日々の体調管理がグループホームの支援だけで難しい人には訪問看護の利用を調整した.また,健康増進プロジェクトの中で検討し,適切な医療機関につながり,治療を開始した人もいた.その後の支援においても,食生活や運動習慣の見直しを行った.
訪問看護を利用している人は16人.服薬確認,通院同行,バイタルチェックの他に,入浴や散歩など生活を安定させるための支援を受けている.情報共有,連絡調整を重ねながら,必要となる支援を行った.
2023年度は3人が精神科病院へ入院となった.入院中も医療機関や家族,支援機関と連絡調整を行い,退院後の暮らしに戻れるよう居室の管理を継続し,支払いや日用品を届けるなどの支援を行った.
また,通所先の事業所との状況の共有を日常的に行い,定期的に本人,家族,関係機関での話し合いを持つことで,体調を崩すことなく生活できる入居者もいた.

3)話し合いを中心にした取り組み

7月と12月にグループホームの集いを開催した.それぞれ約20人が参加した.
健康診断の勧め,季節に合わせた体調管理,防災に関すること等の情報提供と意見交換を中心に行った.参加したメンバーからは,「グループホーム全体で集まるイベントをやってほしい」「休みの日は1人で過ごせないので,何か支援があるといい」「掃除を手伝ってもらって部屋が片付いて良かった」といった意見が出された.
いくつかのホームでは,入居者同士のミーティングを開催した.お互いの暮らしについて思っていることを出し合い,必要な暮らしのルールを確認したり,休日の活動について意見交換をする機会となった.

4)来年度に向けて

「休日の過ごし方に困っている」「生活リズムが安定しない」といった声が聞かれている.仲間同士で関わる機会をつくり,余暇活動を充実させていくことも必要だ.今後の課題として,ピアサポーターの経験を活かして,余暇の過ごし方をいっしょに考えて,いっしょに体験を重ねていく支援をピアサポーターとともに実現していく.
そして,1人1人のニーズを整理し,生活を整えていくこと,仲間同士のつながりをより強くしていくことを大切に取り組んでいきたい.